第四間氷期 / 安部 公房

第四間氷期
文庫: 349ページ
出版社: 新潮社; 改版版 (1970/11)
いやあ、面白いなあ。
多分20年ぶりくらいに読んだんだと思うけど。確か最初はucchiに面白いよと言われて読んだような。
おどろおどろしい印象があったけど、そうでもない。刺激的な舞台装置はいろいろ出てくるけど、別にどぎついわけじゃない。
それよりも、何気ないシーンの描写が大仰というか、えぐるようで、そういう辺りが、全体の雰囲気を厳しくしてるのね。

両頬が板のようにこわばる思いをした。
心の中で、薄い卵の殻のようなものを握りつぶす。 次から次に、つぶしながら、黙って外に出る。
外はひっそりと暑かった。 虫干ししたばかりの手袋をはめたように、指の股から汗がにじむ。 星はなく、赤味を帯びた月がときおり雲のほころびから腹をのぞかせている。
百の言葉を煮つめたような重さをこめたつもりで、頼木に問いただした。

最後のファンタジーな世界が、すばらしい。

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